春一番が吹いた

木曜日、祝日だったけど風邪のピークでほとんど寝てた。やっと…やっと!ゆっくりできた気がする…。


金曜日、夫の母が休みでそもそも会う約束をしていたので、相変わらず体調が芳しくなかったけど己を奮い立たせ、指定された仙川へ向かう。

各駅停車で20分弱。意外とかかる。
娘は久しぶりの電車に嬉々としていた。
場をもたせる為のおかしもおもちゃも必要なくなった。目を輝かせながら黙って座っている。車窓の外を眺める楽しみができたらしく、母大助かり。たまたま機嫌が良かっただけかもしれないけど。

改札前で待っていたおかあさんと合流し、ネットで探したという子供の遊び場へ行く。
さすが、保育士免許を持ちつつ二人の子供を人一倍熱心に育てた母なだけある。
率先して孫をどこか、楽しい場所に連れて行ってくれようとするなんて…しかも自分で調べて…

いや、普通のおばあちゃんってそんなもんなのかな?
わからないけど、夫の母はちょっとやさぐれている。だから、私も、夫も、夫の兄も、驚いているのだ。私たちが東京に越してきてからの彼女の変わりように。



2時間ほど全く飽きることもなく遊んでいた。粘土でできた砂のようなもので、プラスチックの型を使ってひたすら入れて、作って、入れて、時に刻んで、の繰り返し。駐車場もあるみたいだから、今度夫と来ようと思った。

そのあとは商店街をぶらりと流して、娘が絵本でやたらと興味を示していたドーナツを買って、優雅に酒飲み開始。時刻は16時くらい。

おかあさんはめちゃくちゃ気風がいい。
一体誰が食べるの?というくらい次から次へと注文する。本当に、ちょっと普通の量じゃないくらい。


気づけば19時。娘は眠そうだけど抱っこさえしていれば愚図ることもなかった。


最初はお互い電車で帰る予定だったが、ベロベロになったので仕事終わりの夫に電話し迎えに来てもらう。

店を出たらカルディの路面店があったので夫兄、夫父の為にチョコレートを2つ買って、甲州街道まで出て夫を待つ。娘はベビーカーで撃沈。ベビーカーで寝るなんて、相当珍しい。



恵比寿まで送ってまた明日〜と言い、別れた。
私は酔って最高に気分が良かったので、都会のネオンを見せてくれ!と夫にけしかけ、ぐるっとドライブ。

娘が爆睡してたのもある。起きてると、娘がぐずりだしたらイヤなので一刻も早く車から降りたいのだけれど、寝ていれば別。いつまでも車に乗っていたい。


どこを回ったんだったかな。

そうだ、ロブションの横、ウエスティンホテルの道を通ったんだった。
昔、結婚する前夫とよくそこのTSUTAYAに通ってた。たけーよ!とか言いながらも家から一番近いのがそこだから仕方なく、自転車で、夜、ああそんな時代もあったっけ。なんてちょっと懐かしくなった。言わなかったけど。

渋谷原宿表参道青山神宮外苑新宿…って流れで帰った、と思う。都会の夜。


帰ってからは一歩も動けなかった。





土曜、昼すぎくらいに家を出る。
目指したのは晴海埠頭。夫が釣りをしたいとのこと。
引っ越してきてすぐ、一度訪れて以来。

我々はあの場所が好きだ。素晴らしい景色、広々とした空間、モダンな建築、いろいろ要素はあるかもしれないけれどなぜあんなに惹かれるのかうまく説明できないくらい好き。結婚する前もよく行ってた。

娘も同じらしく、車を降りた瞬間から大はしゃぎ。

うわあーうみだねー!はしだねー!あっ、でんしゃだー!ふねだねー!おーい!と元気いっぱいに屋形船に手を振る始末。一体どこでそんな子供らしい仕草を覚えてくるのだろう。毎日一緒にいるはずなのに不思議でならない。そしてそんな姿を見てカーッと胸と目頭が熱くなる私。

水平線、は、建物のせいでうまく見えないけど左側にお台場、正面にレインボーブリッジ、右側に都心。東京タワー。あとは倉庫とか、電車とか、船とか、飛行機とか、ついでに白い月も出てて。

とっても風が強かった。
気温は異常気象かと思うくらい暖かかったけど、風が強くて波がすごい。それに揺蕩う黒いカモの群れも吹っ飛ばされないように必死なように見えた。

風が強く吹くたび「しゃむーい」と娘が笑う。今日の風は寒くない。


とにかく強風で釣りどころではなかったらしく、すぐ海辺を引き上げ建物のほうへ。
いつも人がいないが、今日も殆ど人がいなかった。3人で人目を気にしながら歌ったり踊ったりしてはしゃいで、展望台から暗くなった外を見て、車へ戻る。

夜の帳が下りた途端、一気に目に見えるものすべてがネオンに変わるのは、面白い。
ぴかぴかだねー!と娘。


夫の実家へお邪魔し、ご馳走になり、娘を寝かせ、最近お気に入りの中華料理屋へ。今回は私と夫と夫母の3人で。夫父に娘を任せるという図々しい嫁。前なら娘が起きやしないか気になってそんなことできなかったけど、最近はまず夜泣きをすることもないので小一時間くらいだったら平気で外に出られるようになった。成長と感謝。

広尾商店街の中にあるその店はいつ行っても混んでいなくて、最高においしい。とにかくなにもかもが素晴らしい。東京はほんとに、おいしい食べ物屋さんがいっぱいある。


さっさと食べて飲んで、帰宅。ああ、ここへ向かうとき東京タワーがいい感じにポーンと見えるのも、気分がますます高揚するのでいい。


パラパラと雨がちらついてたけどあたたかくて、あちこちから梅の香りが漂ってきて、故郷のそれに比べると随分と早い東京の夜は、とても良かった。



そういえば、1日早いけど〜と義兄と義父にチョコレートを渡したらとても喜んでくれた。バレンタインに近くに住んでることがなかったから、初めてか。
義兄に関しては、誰に貰うよりも一番嬉しいとさえ言っていた。そんなに喜んでくれると渡した甲斐もあるし、これからも誕生日などはスルーせずに何かあげなきゃ…と思った。



今日は昨日よりもっと暖かくて、雨も上がった昼すぎに3人で散歩。
恵比寿駅近くのペットショップへ行ってみたら馬やらヤギやらフクロウやら、とにかく多種多様の動物が沢山いて娘と夫は大喜び。特に金魚が気に入ったらしく、ずーっと見てた。

ラーメンを食べて広尾に戻って、そのあとすぐ自宅へ。







今日関東でも春一番が吹いたらしい。とは言っても明日からまた寒くなるようなので嬉しさはないけれど。

冬のあとの春って、ほんとうにもやもやした気分が晴れていく。

冬も好きだけど、あったかい春も好きだなぁと、この時期いつも思う。季節の変わり目になるとどの季節でもそう思うのだから、まるで学習能力がない。私は結局、どの季節が一番好きなんだろう。

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