おもしろきこともなき世を

娘が突然
「おもちろい!おもちろいねー!」
と言うようになった。

イケアの赤いキッズチェアを押しながら、キッチンダイニング(のような家の中ではわりと広いところ)で端から端へダダダーっと走り去るのがとても好きらしく(プラスチックの超軽量イスだから音も弱く床にキズがつく脚の造りでもないから好きにさせている)、私が台所に立つとその背後を一人でケラケラ笑いながら何往復もする。もはや日課となっていたそれを先ほどりんごとさつまいものサラダを作っているときにまたやり始めたと思ったら、得意げな表情で「おもちろいねー!」と言い始めた。


これまで感情の表現といえば、「こわい」くらいだったと思う。
こわい、を一番はじめに覚えるって、なんか面白いな。


だから、とても新鮮。そして嬉しい。
日進月歩でのびゆく発語。娘の場合は遅いでもなく早いでもなくおそらくふつう。もしかしたらちょっと遅い?


その様子、様相から今どんな気持ちなのかというのは大体わかる。もう2年以上毎日24時間一緒にいて、更に必要以上に注視しているのだから。

でも実際「面白い」と口にすると、なんだか感動。相当面白いんだろうなとは思ってたけど、やっぱそうだったんだ。



人間の成長って面白いなぁとつくづく思う。娘が生まれてから私は驚きと発見の連続の日々を送っている。まぁでもそれ以上の喜びと、疲労感と。なんてとてもひと言じゃ言い表せないけど、とにかく面白い。


つまらないはずの毎日、でもそんなわけないってのも、わかってる。

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