高いところへ

先日、また娘と分倍河原へ。でも今回は車で。


渋滞にはまったり道に迷ったりして、こんなことなら電車で来たらよかった…と思いかけた頃、やっと到着。

屋上駐車場があったのでそちらへ。

そうしたら、思った通り空が広い、広い!


普段どれだけ狭い空しか頭上にないか思い知る。

屋上に着いた瞬間「わあ〜!」と声が出た。娘に何度も「お空青いね、広いね〜!」と一方的に話し掛けた。


帰る頃、ちょうど富士山のうしろのほうに日が沈んだ後で、西は明るく頭上は橙色で東では青い夜が既に都心部を覆っているようだった。

それにしても、やっぱり都心部のほうの空は汚れているのか光化学スモッグなのかわからないけど、空と地上の間がひどく霞んでいる。この霞んだ空は東京独特のものだと思う。




とにかく、サイコーにすがすがしかった。
広い空がいいな。

  
東京に越す際、集合住宅(戸建ではないマンションとかアパートとか)に住む、という選択肢はあまりなかった。
結局小さいけれど一軒家を借りて住んでいる。

だけどお金持ちがどうして高層住宅のタワーマンションの、高いところに住みたがるのか、なんとなくわかった気がする。


こんなに空が広いのは、東京では心が洗われるほど価値のあるものなんだ。

田舎ではなんでもないことなのに。


少しだけ高いところに行ってみて、いかに自分たちが今、地べたを這うように暮らしているのかということを思い知った気がする。

広い空も山脈も海も、なんにもなくなってしまって、限られた狭い範囲のものしか見えてない。そんなんじゃあ気が滅入ってきて当然じゃないか。こんなに、こんなに世界は広いのに。



地べたを這う生き方は嫌いじゃない。むしろ地に足つけてと云うようにそんな暮らしを望んでいる。この体は大地と共にあるべきだと。

でも、都会では、殆ど無理だろうな。

都内でも郊外だったら可能ではあるだろうけど、それでも地方の豊かさの比ではないだろう。




高いところへ行きたい。
それがむりなら、
広いところ。

f:id:illneko:20160312235519j:image