東京競馬場

競馬場に対するイメージは正直よくない。
イメージもなにも、幼い頃は一時期毎週のように連れて行かれていたので、どういう場所かはまあまあ知っているつもり。


でも驚いた。そうそう、こんな感じよね〜と思わせる人達や行動や光景は多々目にしたものの、なんと言っても施設がばかでかく、綺麗。庭園と呼ばれる場所もバラが咲き誇り中央に円形の噴水があり、ヨーロッパの庭園をそっくりそのまま模してみました、のような美しい庭。まぁベンチに座るのはそぐわないような人々ばかりで異様なことこの上なかったが。

でも全体で見ると、若者も多く目につくし、身なりも一見普通の人ばかりだ。見事に老若男女が揃っている。競馬場に来たのではなく、高尾山とかそういう観光地に来ているような感覚。
変わったのだろうか、競馬場も。以前よりずっとカジュアルな場所になったのだろうか。それともここ東京競馬場だけが特殊なのだろうか。



駅直結。ホームには場末感漂う軽食屋。義家族を待つ間、みそ田楽を食べた。おいしかった。娘もお気に召した様子。


鹿児島に住んでいた頃よく牧場に行っていたので馬を見ることは決して珍しくはないはずなのに、なんだろう、あの、競走馬の鍛え上げられた肉体と磨き上げられた鬣、つややかな毛並み歩みに合わせ光を集めるかのように優雅に揺れる。この美しい生き物はなんだ、とため息が漏れそうになった。よく見ると鬣を編み込みにしているオシャレな馬もいる。
引率係の馬は、白馬と相場が決まっているらしい。白馬の超然としたあの様。真っ白の体に銀色の鬣と尾が揺れる。まるで幻想的な絵画から飛び出してきたかのように目を見張るものがあった。

牧場にいる馬と、競馬場にいる馬は、なんだか全然違った。



馬券を買いレースが始まると同時に宴会開始。
飲まされまくって、途中あやうく寝てしまいそうになった。義母は寝ていた。


メインレースのファンファーレで群衆がする手拍子。
レースの終盤から群衆が発する怒号。

これらに夫は目を丸くしていた。競馬場に初めて来た夫。特に怒号に関しては、下品だと漏らしていた。


数時間滞在したにも関わらず娘も終始おりこうさんにしてくれていた。

義家族全員、我が家に寄って夕ご飯。

義兄は泊まっていった。疲れていたので私は片付けを済ませ、さっさと就寝した。





義母の号令で決まった競馬場あそび。病気の義父の唯一の趣味であり生き甲斐だからこそ、皆で来たかったのだろう。そんなこと絶対に口にはしないだろうけど。意地っ張りだから。

こんなことでもなければ来ることはまずありえなかったので、いい経験をしただろう、夫も。



これが日曜日の話。

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