落ち葉の絨毯を踏みしめる

娘が起きたのが9時。私がようやくメガネをかけたのが10時。夫が起き出したのが11時半。

自宅で迎える休日の朝は大抵夫を叩き起こすので、夫実家では起こさないでいる。二人きりじゃないからだ。いつになったら、私は余裕を持って娘と二人きりの時間を過ごせるようになるのだろう。



昨夜から降り続いていた激しい雨も昼頃にはやみ、久しぶりに青空がのぞいていた。

家の中でも義兄や義母と遊び充分楽しそうにしていたが、折角だからと有栖川公園へ行くことにした。

雨だったからあまり人もいないだろうと踏んでいたのにそれは大きな見当違いで、今まで訪れた中で一番人が多かった。

広尾商店街の時点で外国人の姿が目立つのだが、交差点を渡るとより一層それが増し、公園に入るともうそこは日本人のほうが際立ってしまうくらい多国籍な家族連れで賑わっていた。


娘は、公園のベンチに座るときいつもとてもいい笑顔をする。そのなぜだかわからないけど嬉しい気持ち、わかる。

雨で濡れた落ち葉の絨毯を踏みしめ、階段を一生懸命昇り、途中何度か手をついてしまうも娘は嬉しそう。
ふかふかの落ち葉の絨毯。木立のいいにおい。秋だ。

夫に娘の相手を任せ、ベビーカーを傍らに腰を下ろす。見ると、どの親子も大体父親が全力で子供の相手をしている。奥方の姿が見当たらないのは、何処かでお茶でもしているかすぐそこの外国人御用達のスーパーで買い物でもしているのだろう。
それにしても本当に日本人が少ない。広場にいる親子で私達以外は全員外国人だ。公園内に飛び交うのは英語。しかも、きっと皆お金持ちなのであろう。この場所からして。そこに低所得層の私達がいるのは少々違和感があるというか、肩身が狭いというか。でも夫はそんなこと全く気にしている様子はない。この公園で少年時代を過ごしたのだからそれもそうだろう。そしてお金持ちの外国人と学び舎を共にしたのだから、また然りだ。
夫はここにいてもなんら遜色はない。そういう人間だ。私も、この先の振る舞いを考えなくては。


くたくたになるまで遊んで、そのまま自宅へ戻った。

買い物へ行ったら、夕暮れに佇む富士山を見つけた。東北や九州にしか住んだことのない私にはとても珍しく、思わず声を上げそうになる。そして言い知れぬ嬉しさに空を見上げる。三日月が良く映える夕暮れ。雨が上がってくれて良かった。いい日曜日だった。

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