結婚式
ようやく結婚式の日のことを書き留める。
遂に明日か、と思うとなんだかうまく寝つけず、早くに目が覚めた。
外は冷たい雨が降っていた。
身支度を整え皆で六本木へ向かう。途中朝マックを買う。
道が混んでいるということもなく、10時頃アマンドの交差点に到着。娘を夫に託す。
指定された場所がわからず辺りを見渡していたら友人の一人と遭遇、合流。車で通ったことはあれどこの辺に来るのは初めてで、外国人の多さに驚いた。
コンビニの前で男性陣と合流。一路カラオケへ。朝の料金で格安だった。店内には酔っ払った人たちが沢山いた。朝の10時。そういえば近くのクラブでもまだドンチャン騒ぎが聞こえた。朝の、10時。
ワンドリンクオーダーで、全員でビール。朝からお酒を飲むなんて、一体どのくらいぶりなのか。いかにも非日常で楽しい。
女性陣も集結し、最終確認。果たして。
みんなで会場のホテルへ移動する。
女性陣は控え室でお化粧直し。
その後また揃ってリハーサル。
そして慌ただしく教会へ。既に新郎入場済み。
着席して息つく間もなく新婦入場。この瞬間というのは、無条件に涙が出る。いつも。
滞りなく式を終え、庭へ移動。フラワーシャワー?的なことをした。とにかく花嫁の友人が美しくて美しくて、それだけで感極まった。
いつのまにか雨もすっかりあがっており、さすがだなぁと思った。
私たちの先生も招待されていたので男性陣が「お久しぶりです」と声を掛け先生びっくり。
いい時間を過ごし、披露宴の受付へ。ご祝儀を渡しワインを一杯飲み手紙を貼り付ける作業をし、会場へ。
祝辞やなんかが終わり、おいしい食事も頂き、シャンパンもそこそこ飲んで、あっという間に出番が来た。
それにしてもスタッフの人の気遣いのようなものがあまりにも行き届いており、感心すると共に友人は「過保護すぎる」と嘆いていた。
新婦側の社長さんの祝辞はさすが、の一言。とても素晴らしい祝辞だった。
新郎の余興の間に慌ただしく準備をする。トイレで着替え、あとは出番を待つのみとなった。
いよいよ本番。これまでの集大成を見せる時が来た。
私は飲んでいたこともあり緊張することもなく、いかんなく本領発揮することができたが、友人のうち二人は納得いかない出来だったようで「もう一回やりたい」と嘆いていた。そんなことない、良かったよ、と慰めた。実際、会場はあたたかい拍手に包まれ新郎新婦も涙を流し喜んでくれていた。
そのあとは新婦父の言葉、など感動的な場面が続き最後までずっと涙が止まらなかった。ハンカチをドレスの中に入れたままにしていたので手元になく、ナプキンがびしょびしょになるほど泣いた。とにかく素晴らしい式だった。男性陣もみんな泣いていて微笑ましかった。
だけど感動するのと同じくらい、私は、悲しみにも包まれていた。
私はこんな素晴らしい式を挙げることはできない。嘆いても仕方ないけれど、できないことが悲しくてたまらなかった。どうしてうちは、いろいろ複雑なんだろうと思わずにいられなかった。
それを察したかのように先生が私を慰めてくれた。
「いろいろあったね、でも、今の家族を幸せにするんだよ」と。
「先生、私、今が一番幸せです」と答えた。それを口にしたらなんだかもっと泣けてきてしまった。
披露宴も無事に終わり、会場を後にする。再びドレスに身を包み、男性陣が待つ一階ロビーへ。
友人の一人は山形へ帰らなければならず二次会会場の前で別れた。また年末会おうと約束した。
二次会は受付担当だったので友人とテキパキ動く。
グループがあらかじめ決められていたようで、完全アウェイの中なんとなく時間をやり過ごした。
最終的に豪華な景品が当たったので、まぁよしとしよう。
そのあとは私たちだけで三次会。キャッチの人に声を掛けられたので交渉し、近くの安い居酒屋へ。九州の居酒屋だったのでなんとなく嬉しかった。
「今日はしこたま飲む」と皆に宣言したものの、あまり酔っていなかったのでそこでカクテルをバカスカ飲んだ。なのに、それほど酔うこともなかった。不思議だ。
ほどなくして暴露大会が始まり、その矛先が突然自分に向けられる。あまりに突然で、「なんで知ってるの!」と何度も言った。そんなこと、どう考えても本人が言う以外理由なんてない。悪いことをした。ああそうか、知っていたんだ、まあ知っていても不思議じゃないけど、タブー視されていることのほうがなんだか恥ずかしい。どうせだったら散々突っ込んでくれて構わないのに、それを制止する。言いふらしたことへの罪悪感だろうか。何にしても、まぁ驚いた。なんとなく気まずい空気を知っていたのかと思うと気恥ずかしい。
ああびっくりした。
それを差し引いても私はずっと饒舌だった。舌好調で、キレキレだった。余計なことも言ったかもしれないがそれでも自分に花マルをあげたいくらいいい出来だった。悔いはない。
最後にラーメン屋で一杯飲んで〆。
最高に楽しかった。
帰りは途中まで歩いてみたけれどやっぱり足は痛いし景品が重い。タクシーに乗り広尾商店街の入口まで。
飲んでいた夫と義母と合流し、そのあとまたラーメン屋へ行って、帰った。
しかし夫を見つけたときの安堵感といったら。あまり酔っていないし疲労感もなかったのに、急激に眠くなってしまったほど。
終わってしまった。
楽しかったなぁ。
次こうして飲めるのはきっと年末。それまで、普通の主婦に戻ります。ほんとに楽しかった。最高の1日でした。